体重変動を改善するには
体重変動スコアとは
体重変動スコアは、問診から推定された1日の摂取カロリーと消費カロリーを用いて、摂取カロリーが消費カロリーに比べて何%少ないか(または多いか)を示したものです。例えば、体重変動スコアが15だと、摂取カロリーが消費カロリーに比べて15%多い事を示しており、体重が増える方向にあることを示します。
カロリー収支が体重変動に直結することは、厚生労働省ガイドライン(日本人の食事摂取基準(2020年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf)で明確に定義されているため、カロリー収支のみを考慮してスコアを計算しています。減量分野の論文における観点として、一日の消費カロリー-%、+%という表現で人の痩せやすさを評価するのが一般的であるため、-50 - +50のレンジで体重変動スコアは定義されています。
体重変動スコアの計算に使用する要素
体重変動スコアの計算には、以下の要素を使用します。
- 推定カロリー収支(
「摂取カロリー」ー「消費カロリー」
) - 消費カロリー
体重変動スコアの計算方法
スコアは以下の計算式で算出されます。
体重変動スコア = 100 * 推定カロリー収支 / 消費カロリー
スコアのレンジは-50-+50で定義され、スコアが-50未満のときは-50点、+50以上のときは+50点と定義します。
たとえば、推定カロリー収支が -400kcal、消費カロリーが 2000kcal だとすると、
体重変動スコア = 100 * -400 / 2000 = -20
となります。
体重変動スコアを改善するには?
体重変動スコアは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを基に計算されるため、スコアを改善するためにはこのカロリーバランスを最適化する必要があります。以下に、具体的な改善策を示します。
1. 摂取カロリーを管理する
体重変動スコアが高い場合、摂取カロリーが消費カロリーを上回っていることを意味します。摂取カロリーを減らすことで、スコアの改善が見込めます。以下の方法で摂取カロリーを抑えることができます。
- 高カロリー食品を避ける:揚げ物やお菓子、甘い飲み物などはエネルギー密度が高いため、これらを減らすことで摂取カロリーを大幅に減らすことができます。
- 間食を制限する:間食を控えたり、低カロリーの選択肢に切り替えることで、総摂取カロリーを抑えることができます。
2. 食事の質を見直し、摂取カロリーをコントロールする
食事の質を改善することで、満腹感を得やすくなり、摂取カロリーを自然と減らすことが可能です。以下のようにバランスの取れた食事を心がけると効果的です。
- 主食を適量に抑える:炭水化物の摂取量を適切にコントロールすることで、カロリー過剰を防ぎます。例えば、過剰なご飯やパンの摂取を減らすことが有効です。
- タンパク質や野菜を増やす:たんぱく質と野菜を増やすことで、満腹感を得やすくなり、食事全体のカロリーを減らすことができます。これにより、過食を防ぎ、摂取カロリーのコントロールがしやすくなります。
3. 身体活動量を増やして消費カロリーを向上させる
体重変動スコアを改善するには、消費カロリーを増やすことも有効です。日常生活の中で身体活動量を増やすことで、消費カロリーを増加させ、カロリーバランスを調整できます。
- 有酸素運動を取り入れる:ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は、カロリー消費を増やす効果があります。日常的に運動することで、消費カロリーを効果的に増やすことができます。
- 活動量を増やす:日常の中で歩く距離を増やしたり、階段を使うなど、小さな身体活動を積み重ねることで、消費カロリーを増加させることができます。
4. カロリー収支のモニタリングを継続する
摂取カロリーと消費カロリーのバランスを継続的にモニタリングすることで、体重変動スコアを効果的に管理できます。毎日の食事内容や運動量を記録し、定期的にカロリー収支を確認することで、摂取カロリーが消費カロリーを超えないよう調整が可能です。モニタリングを習慣化することで、スコア改善が継続的に行えます。
これらの具体的な改善策を実践することで、体重変動スコアを適切にコントロールし、体重管理を効果的に行うことができます。
以下は、Taohealthにおける摂取カロリーと消費カロリーの詳しい計算方法に興味のある方だけがお読み下さい。
推定カロリー収支における摂取カロリー
- 摂取カロリー(エネルギー量)は、食事バランスガイドの単位数から、既存研究(1)の結果に基づいて推定されます。
- 実際には、食事の種類によって1単位のカロリーは異なりますが、過去の研究で示されている平均的な1単位のカロリーを使用し、おおよそのエネルギー量を推定しています。
- 具体的に使用されている1単位ごとのエネルギーは以下の表の通りになります。
表1. SVのカロリー推定値
項目 | 単位 | 単位エネルギー | 備考 |
---|---|---|---|
主食 | 1SV | 201 kcal | 市販のおにぎり1個 (炭水化物40g) |
主菜 | 1SV | 75 kcal | 鶏卵1個 (タンパク質 6g) |
副菜 | 1SV | 40 kcal | 野菜サラダ (重量 70g) |
乳製品 | 1SV | 106 kcal | 牛乳半カップ (カルシウム 100mg) |
果物 | 1SV | 53 kcal | みかん1個 |
ヒモ (お菓子) | - | 問診のカロリー | |
アルコール | 1合 | 180 kcal |
- 参考1: https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/kenko/kikan/unnan_hoken/kenkoutyoujyu/index.data/syokujibaransukyoukai.pdf
- 参考2: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjda/54/1/54_1_17/_pdf
- 参考3: https://ilsijapan-org.prm-ssl.jp/ILSIJapan/LEC/HD/HD13Kurotani.pdf
推定カロリー収支における消費カロリー
- 身長と体重、日々の運動量から「基礎代謝量」、「身体活動係数」、「有酸素運動による追加消費カロリー」を算出し、以下の式を用いて推定エネルギー消費量(消費カロリー)を計算しています。
消費カロリー = 基礎代謝量 × 身体活動係数 + 有酸素運動による追加消費カロリー
以下の各項で、「基礎代謝量」、「身体活動係数」、「有酸素運動による追加消費カロリー」をアプリ上でどのように計算しているか、ご確認いただけます。
基礎代謝量
アカウント情報の体重、身長、年齢、性別を用いて、以下の国立健康・栄養研究所の式(Ganpule式)を利用して計算。
基礎代謝量 =(0.1238 + 0.0481 体重 [kg] + 0.0234 x 身長 [cm] -0.0138 x 年齢 - α) x 1000 / 4.186
注)αは男性の場合は 0.5473、女性の場合は 0.5473×2
参考:https://www.nibiohn.go.jp/eiken/hn/modules/kisotaisya/
身体活動係数
以下の表を用いて年齢と身体活動レベルから身体活動係数を選択しています。
表2. 年齢階級別にみた身体活動レベルの群分け (男女共通)
年齢 | レベル I(低い) | レベル II(ふつう) | レベル III(高い) |
---|---|---|---|
1 - 2 | 1.35 | 1.35 | 1.75 |
3 - 5 | 1.35 | 1.45 | 1.75 |
6 - 7 | 1.35 | 1.55 | 1.75 |
8 - 9 | 1.40 | 1.60 | 1.80 |
10 - 11 | 1.45 | 1.65 | 1.85 |
12 - 14 | 1.50 | 1.70 | 1.90 |
15 - 17 | 1.55 | 1.75 | 1.95 |
18 - 29 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30 - 49 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50 - 64 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
65 - 74 | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
75以上 | 1.40 | 1.65 | 1.95 |
身体活動係数の選択に用いる身体活動レベルの判定方法
有酸素運動時間から、身体活動レベルを以下のように割り当てます。本アプリでは、3.5METs以上の運動を有酸素運動と定義しています。
- 90分未満: 身体活動レベル 低い (I)
- 150分未満: 身体活動レベル 普通 (II)
- それ以上: 身体活動レベル 高い (III)
※ 厚生労働省資料(参考資料1の「参考1表」)における「長時間持続可能な運動・労働など中強度の活動(普通歩行を含む)」の項目を参考に閾値を設定しています。
※ 身体レベルの判定には3.5Mets以上の有酸素運動の時間による影響が大部分を占めるため、歩数及び歩行時間は身体活動レベルの判定には使用していません。
参考資料1(厚生労働省HP): https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1122-2a.html(参考1:15~69歳における各身体活動レベルの活動内容の表のうち、3-5.9METの各セルを参照)
有酸素運動時間による追加消費カロリー
平均的な有酸素運動(ウォーキング、3.5METs)を実施したと仮定し、追加の消費カロリーを計算しています。
参考資料(参考ページ1の「参考1表」)の「長時間持続可能な運動・労働など中強度の活動」にある通り、身体レベルは以下の有酸素運動を実施したと仮定しています。
- 身体レベル1: 1時間
- 身体レベル2: 2時間
- 身体レベル3: 3時間
実際の有酸素運動時間と上記の時間を比較し、以下の通り補正後有酸素運動時間を定義しています。
- 身体活動レベル1の場合:有酸素運動時間 - 60 [分]
- 身体活動レベル2の場合:有酸素運動時間 - 120 [分]
- 身体活動レベル3の場合:有酸素運動時間 - 180 [分]
補正後有酸素運動を用いて、参考資料2に従い追加消費カロリーを算出します。
追加消費カロリー = 1.05 × 3.5 [METs] × 補正後有酸素運動時間 [分] /60 × 体重 [kg]
※補正後有酸素運動時間はマイナスの場合、追加消費カロリーは消費カロリーをマイナス補正することを意味します。
- 参考資料1(厚生労働省HP):https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1122-2a.html(参考1:15~69歳における各身体活動レベルの活動内容の表のうち、3-5.9METs以上の各セルを参照)
- 参考資料2(厚生労働省HP):https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/dl/s0725-9f-4.pdf